原田建築設計舎|Harada Architects

里中の家

三重県松阪市の郊外に建つ家族4人が暮らす住居兼アトリエです。

都心部に建つ住宅に比べ、敷地にも建築面積にも余裕のあるこの土地では、室内ばかり楽しむような住宅ではなく、プライバシーを確保しながらも、暮らしの雰囲気や気配が地域に適度に伝わる、温かくおおらかな住まいのあり方を目指しました。そして、この集落に現存する風景(景観計画区域の重点地区にもなっている)、暮らしに呼応する佇まいを探りました。

建物の印象を和らげるため、前面の道路から建物を大きく後退させています。後退させた部分は、アプローチ、駐車スペース、植栽スペースとしています。地面から登梁の下までは1.8mと抑え、単調な形に、軒を深く低く出すことで、壁に陰影をだし表情をつくりました。その軒下には、人が集まり、地域との繋がりを目指しました。


土間の引き戸は暑い時期には全開して風を通し半外部として、冬は太陽熱や薪ストーブの熱を土間へ蓄熱する温室として、気候調整の役割を持ちます。また、土間空間は食事や団らん、仕事、遊びなどの機能や名称の境界をなくし、多様な使われ方ができるおおらかな空間を目指しました。



敷地、家中にベンチや椅子、ソファーコーナーなど留まる場所を多く設け、気候や時間帯に合わせて、各々が居心地のよい場所を選び、日常の中で季節の移ろいを楽しめるプランとなっています。障子を閉めると一変して静寂な空間となります。家族の気配を感じつつ、家中に点在するたくさんの居場所がそれぞれ自由に活用されています。
Projektjahr: 2022
Projektkosten: 30.000.001 - 50.000.000 JPY